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デトックスしたい!便秘解消で毎日気分スッキリ!

「気がついたらもう1週間出ていなくてお腹が張る」「出てはいるけれどスッキリしない」など、体も気分も重くなってしまう便秘はイヤなもの。「悪いものを排出できず、毒素が体の中に取り込まれてしまうので肌荒れの原因になる」という話を聞いたことがある方も多いのでは?便秘が美容や健康に与える影響について、肛門科専門医の山口トキコ先生にお話を聞きました。

便秘は肌荒れの直接の原因とはいえない。でもぜひ気をつけたいポイント

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よく、便秘になると毒素が腸から血管に入って体を巡り、肌荒れや吹き出物の原因になる…等と言われますが、実は医学的には因果関係は証明されていません。でも、便秘になるとお肌の調子も悪くなるというのはよくあることです。その理由の一つとして、便秘になりやすい生活習慣と肌荒れを起こしやすい生活習慣が似ている、ということが挙げられます。 便秘というと、若い女性がなりやすいというイメージもありますが、加齢とともに便秘の人が増え、60歳以上の方に多いというデータも。ぜひ、若いうちだけでなく、年齢を重ねるごとに気を付けたいものです。また、健康的に、長生きするために必要な食生活と便秘にならない食生活も似ています。長寿の県と言われる長野県の方は、野菜や果物、発酵食品の味噌などをよく食べています。これらの食品は食物繊維をたくさんとることができ快適なお通じにつながるもの。便秘になっていないかチェックすることで、健康的な生活ができているかを確認できるのです。

 

チェックリスト:こんな方は便秘に要注意!

1. 3日以上便が出ない

2. 便が気持ちよく出ず、いきむ必要がある

3. 残便感がある

4. 便が硬い、色が黒っぽい

5. 朝ご飯を食べない

6. 野菜を食べる量が少なく、肉を食べる量が多い

7. 牛乳、乳製品はほとんど食べない

8. 外食が多い

9. ストレスが多い

10. 運動不足だと感じる

一般的に1や2が便秘といわれます。毎日出なくてもスッキリできているならば、あまり心配する必要はありませんが、毎日出ていても気持ちよくないなら注意した方がよいかもしれません。その他、3〜10にあてはまる数が多いと便秘になりやすい傾向があります。

 

大切なのは水と食物繊維。健康的な食生活で便秘ケアを目指そう!

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便の成分は1/3が腸内細菌のカス、1/3が腸の中を掃除してコレステロールを減らしてくれる食物繊維、そして残り1/3が便をやわらかくしお通じをスムーズにする水分。快便を目指すなら、水分は食事も含めて1日あたり2Lを目安に摂りましょう。食物繊維をしっかり摂るには、野菜350g・果物100gが目安とされています。

野菜や果物の量がかなり多くて難しいと感じる方には、ひじきや切り干し大根、かんぴょう、ドライフルーツなどの乾物類がおすすめ。少ない量でも食物繊維が豊富に含まれています。納豆やオクラ、モロヘイヤなど、粘り気のある食材も腸を整えてくれます。

また、お米やパンにも食物繊維が含まれているので、ダイエットで控えすぎず、適量を食べましょう。水分は1日の食事で約800mLはとれると仮定して、1.2L~1.5L程度飲みものでとるのが○。ただし、お酒やカフェインが含まれるコーヒーなどは計算に入れず、とりすぎに注意してください。

 

食事の改善で便の質をよくするとともに、腸が良いリズムで動いてくれるように働きかけることも大切です。寝ている間に腸の動きがよくなるので睡眠時間はしっかりとりたいもの。朝食は、腸が活発に動き出しお通じがくるきっかけになるので食べましょう。無理やりトイレに行くのではなく、自然に行きたくなる生活習慣が身につきます。また、定期的な運動もおすすめ。歩いたり自転車に乗る時間を増やすなど、日常生活の範囲でできることを心がけるだけでも違います。

 

こうしてみてみると、便秘にならない生活習慣は美容・健康に通じる物があります。お通じは健康状態を簡単に知らせてくれるバロメーター。お金や手間をかけず、健康に暮らすために、日々気をつけてみることをおすすめします。

山口トキコ(やまぐちときこ)

医学博士・日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員

マリーゴールドクリニック院長。東京女子医科大学大学院卒。東京女子医科大学一般外科医局にて研修後、社会保険中央総合病院・大腸肛門病センター勤務を経て、2000年にマリーゴールドクリニックを開業。女性の肛門科専門医の草分けのひとりであり、雑誌やテレビでも活躍中。胃や大腸の内視鏡検査を行っている。