美容

見た目が変われば、人生が変わる。メイクを「心のスイッチ」に 【大人美人の教科書 vol.2】

「人は見た目で9割決まります」

メイクアップアーティストの大地良枝さんは、講演やセミナーの冒頭、いつもこのように断言し、その場にいる女性たちをハッとさせるようです。

ただ、この話には続きがあります。

「とはいえ、メイクで外見だけを取り繕って『綺麗になれて良かった』と喜んでいるだけではダメ」

はたして、その真意とは?

メイクは、自分を高めるための「武器」。使わないと損

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― 「人は見た目で9割決まります」というのは、特に外見に自信のない女性にとってショッキングなメッセージにも思えますが……

メイクは、自分を高めるための「武器」です。でも、メイクを上手に活用できていない人が多いように感じています。

私自身、メイクで人生を切り開いて来た実感がありますので、「もったいないなぁ」と思うのが正直なところですね。

― 見た目が変われば、人生まで変わるものですか?

それは変わりますよ!見た目が変われば、自分自身に自信が持てるようになりますから。実際、メイクによってハツラツとした印象になって、仕事で結果が出るようになった女性もいます。

ただ、大切なのは、メイクで見た目を綺麗にしたときに、心にどのような変化が起きて、その後の行動にどう影響したのかを感じること。「メイクして、綺麗になれたから頑張れたんだ」と、自分の中で成功体験として認識することが必要です。

そうすることで「メイクする→頑張れる」というパターンが確立されて、メイクが「心のスイッチ」のような役割を果たしてくれるようになります。「綺麗になれて良かった」とメイクした瞬間を単に喜んでいるだけではダメ、というのはこういう理由があるからです。

チークは多めに。大人美人が実践すべきメイクのポイント

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― 見た目と心はつながっているんですね。では、まず見た目を変えるために、大人美人の方々が実践すべきメイクのポイントをアドバイスいただけますか?

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アイライナーは引いてください。面倒がらずに(笑)。黒目の存在感を示すことで、前向きな印象を与えます。ただし、漆黒のアイライナーを引くと若者風のメイクになってしまうので、こげ茶色を選びましょう。

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次に、口紅は、ローズ系やピンク系にベージュ系の色を重ねてみてください。すると、チュニックなどのふんわりとした今風のファッションにも似合います。

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そして、チークは多めに付けましょう。ファンデーションはアラを隠してはくれますが、どうしても顔がのっぺりとしてしまいがち。チークを塗れば、血色を良く見せ、立体感を演出できます。色はサーモンピンク系を。多めに付けても「付け過ぎ感」がありません。

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最後に、ハイライトを目元のシーラインに。顔のたるみ引き上げるように使用しましょう。

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「心を動かす」ことで内面の美しさは育まれる

― ありがとうございます。大地さんは、いつも元気で若々しいですが、何か秘訣はあるのでしょうか?

そうですねぇ……仕事終わりにおいしいビールを飲むことでしょうか(笑)。あとは、お風呂のとき、できるだけシャワーで済ませずに、お湯にゆっくりと浸かるようにしています。

それと、「心を動かすこと」は常に意識していますね。

― 「心を動かす」とは?

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例えば、目の前に壁が立ちはだかった場合、そこから逃げてしまえば傷つくことはありませんが、それでは心が凝り固まってしまいます。良いことも悪いこともすべて受け入れて、そのときの感情を味わう。つまり、心を動かすことで、内面の美しさは育まれるものだと思うんです。いろんな経験をすれば、他人にもやさしくなれますしね。

でも、我慢する必要はなくて、すべてを受け入れたうえで、自分の気持ちに素直になることができれば良いと思います。そして、「かなえたい夢」「なりたい自分」というものが明確になったとき、それらを手に入れるための手段としてメイクを活用してもらえると嬉しいですね。

― 大地さんの笑顔を見ていると、心から笑っているように感じます。それは、メイクによって自身を高めて来たことで、自分の感情に自信を持ち、素直になれているからかもしれませんね。本日は、ありがとうございました!

【プロフィール】

大地 良枝(おおち よしえ)/メイクアップアーティスト

化粧品会社の営業インストラクター、エステ関連商社のゼネラルマネジャー、同エステグループ会社の代表取締役などを歴任。その後、女性の内面に目を向け心理学を学び、平成24年1月「NPO法人 美メイク アクトレス」を設立。「女性は輝くために生まれてきた」をテーマに講演活動を行い、福祉・医療機関、行政・企業の雇用創造や人材育成事業に貢献している。また、「福祉ケアメイク」「緩和ケアメイク」の分野では、メイクセラピストとして、カウンセリングを用いた「美メイクセラピー方法」を指導し、人材育成にも力を注ぐ。■HP:http://bimake-actress.info/